岩手盛岡探訪記
(2025年10月4日~5日)

 2019年から開催している「こどもアール・ブリュット北海道みらい作品展」。「障がいがある子もない子も同じ場で自由に輝くアートの未来。」をコンセプトにした作品展として、こどもたちの衝動や素直な表現が輝く場を少しずつ育んでいる。その移動展として、今年は岩手県芸術文化協会さんの協力のもと、「岩手北海道こどもアール・ブリュット作品展」を開催することになった。

 せっかくなので、本展の運営にも携わってくれた北海学園大学2年の藤林ひかるさんと一緒に盛岡を訪れることになった。新千歳空港から1時間弱で岩手の花巻空港に到着。そこから盛岡駅行のバスに乗り換え、駅からは会場のトーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)までは歩いて向かった。この”歩く”こと自体がとにかく楽しい時間だった。まちのなかに埋め込まれた歴史、そこから現在に至るまで流れている時間。過去と切り離されることなく、現在の生活が息づいている。それを歩くことで身体の中に吸い込み、自分自身もその一部になる。そんな唯一無二の体験に身を浸しながら会場に着くと、こどもたちの作品が正面玄関を入ってすぐのエントランスに飾られていた。左右の壁ではなく、来場者の通路のあいだにパネルが設置され、誰もが通りすがりに作品を目にする。立ち止まって観る人、一瞬目に留める人。いろんなかたちがあっても、共通するのは、物理的な場所で作品と来場者が出会っていること。そのことの単純な喜びを改めて実感する展示だった。事務局長の佐々木さんと事務局の岩崎さん。メールでのやりとりだけだったお二人と実際にお会いできたのも嬉しかった。実際に対面する。まちを歩く。土地のものを食べる。土地の風を感じる。そんな単純だけど、新鮮な喜びを感じる1泊2日の旅だった。(北海道文化団体協議会事務局 山崎)